家畜糞尿処理、家畜排泄物処理装置の設計、施工、家畜糞尿処理、家畜排泄物処理のコンサルティング、
循環式鶏糞処理システム、微生物資材、土壌改良資材、特殊肥料の製造、販売、農業塾、土作り

002:『土は生きている』



本物の土づくりへの基礎知識

土なくして農業は成り立たない。しかし、我々は本当に土の持つ特性を理解しつくしているだろうか?そんな疑問を原点に立ち返り、今一度真剣に『土』について考え直してみようと思います。
極めて当たり前のことをじっくり見直していく。そこに新しい世界が展開され、おもしろさを再発見するかもしれません。


生きていなければ「土」ではない!

「土が生きている」とはどういうことでしょうか。
そこに様々な生物の活動があるということにつきます。生物が住んで「生活」しているからこそ「土が生きている」と言えるのはないでしょうか。
肥沃な土には1g中に億単位の微生物が存在していると言われています。土壌中の微生物量は10a当り1tと微生物学では言われています。これらの生物活動が行われてこそ「土」なのであり、そのために太陽の光も、雨も、欠かせないと言うことになります。
科学的な分析、理解が出来なかった昔の人が、土から草や木が生えてくるのを見て不思議に思ったとしても無理はありません。土の中に何が隠されているのだろうか?古代の人々は、『あらゆるものの源が土にある』と信じていたといわれます。
「土」があるから我々は生きることが出来る。「土」の力が我々の力、だから「土が弱れば、人も弱る」。この原理原則を絶対に忘れないようにしたいと思います。


土の生い立ち

山の表面の岩石が長い年月の間に雨や風に打たれ、風化して細かく砕け、土が生まれます。これらは次第に雨に流され、山の沢に集積します。
今から100万年前から1万年前の間に堆積した土が、今の丘や大地の土であり『洪積土』と言います。その後、さらに下流に流され、1万年前から現在までに堆積した土が、川岸や低地の土であり『沖積土』といいます。

この土に微生物が住み、植物が生えてくると、次第に栄養分が増えて、植物の生育に適してきます。こうして出来た土を私達は農業に利用しているのです。


土の性質 ・・・少し大事な話

「埴土」や「壌土」という言葉を良く耳にします。これは性質により土を分類したもので、ひとつまみの土に水を含ませて練ると、指先の感覚で判断できます。
作物には埴壌土と壌土が適します。
粘土と砂だけでは、作物は良く育たず、適量の腐食が混ざっている必要があります。腐食が、粘土の細かい粒と柔らかく結合して団粒という構造を作ります。
団粒状の土は、通気性、排水性が良く、しかも団粒が水を吸い込むことで保水性、保温性もよくなります。腐食があって団硫化した土は保肥力(養分を保持する力)がすぐれ、作物が必要とする養分を根に与え、残りは団粒に保持されじわじわと供給し続けます。このため肥料をまいても、雨で流されてしまうことも少なく、大量の肥料を一度に施用しても濃度障害を起こすことを防ぎます。


腐食物質

植物にはリグニンという有機成分が存在している。リグニンは植物だけが作る特殊な高分子物質で、特に茎の中心部の細胞にリグニンを集め、頑丈な柱を作り、動物で言えば骨の代わりとなり体を支えている。

自動車に衝突されると動物の骨は折れるが、大木は折れず、逆に自動車が壊れる。リグニンは軽くて硬い天然のプラスチックである。

このリグニンを完全に分解できるのは、キノコなどごく一部の微生物に限られている。リグニンは単独で存在せず、近くに存在するセルロースなどの有機成分と結合している。大部分の微生物は、リグニン、それと結合した有機物を分解しにくいため食べ残してしまう。
この食べ残し物質が限られた微生物によって少しずつ分解されたり、微生物の合成した別の物質と結合されたりすることで、黒い色の腐食物質が生成されてくる。

腐食物質は素の植物に存在した物質とは異なり、土壌中ではじめて合成される物質である。この存在ゆえに、土壌は元の砂や火山灰に比べて黒ずんだ色をしている。この腐食物質と粘土鉱物とが土を細かく柔らかくし、植物の生育に大変都合の良い状態にしている。


腐食の働き

酸素や水分が適当にある土は、微生物やミミズなどの絶好の住みかです。これらの生物は、腐食を餌にして繁殖し、有機物を分解して、窒素・リン酸・カリをはじめ作物の栄養となる物を作り出します。腐食の多い土は、酸性肥料をまいても酸性に変わることはありません。微生物がたくさん繁殖していると、作物に有毒な物質を解毒、浄化する作用も強まります。腐食は水を含み、その水が持つ保温性のため、地温の変化を少なくする働きもあります。つまり腐食が、土の良い性質を守る安定剤の役目を果たしてくれるのです堆肥が作物の成育に良いのは、それが腐食のもとになるからです。


土壌中の水

土壌中の水は作物に必要な水分を供給します。また作物の体1g(乾物)を作るために200cc〜1000ccの水を土壌から吸い上げます。

土壌中の水は、以下の形態をとっています。

  1. 化合水・・・ 土の粒子と化合しており、土を加熱(105℃まで)しても失われません
  2. 吸湿水・・・ 空気中の水蒸気が土の粒子の表面に吸着したもの
  3. 毛管水・・・ 土の粒子間の細かい隙間に、毛管引力によって保持されている水。
  4. 土中をゆるやかに上昇します。
  5. 重力水・・・ 土の粒子の間を重力によって自由に加工する水。地下水など。

    この中で植物が利用するのは、主に毛管水です。


土の種類と性質

土の持つ性質を並べて見ます。

  1. 礫土(れきど)・・・ 小石まじり、握るとバラバラ
  2. 砂土(さど)・・・ 石はないが、ほとんど砂
  3. 砂壌土(さじょうど)・・・砂が全体の1/3〜2/3を占める。
    ダンゴになるが棒作ることは出来ない。
  4. 壌土(じょうど)・・・砂が1/3以下。鉛筆程度の棒を作ることが出来る。
  5. 植壌土(しょくじょうど)・・・粘りのある粘土に砂が少し混じる。
    マッチ棒のような棒を作ることが出来る。
  6. 埴土(しょくど)・・・粘りのある粘土が大部分。こよりのような細い棒を作ることが出来る。


作土には壌土や植壌度が適しています。


作物生産と土の役割

農業の最も大きな特徴は、緑色植物に特有の光合成作用を利用し、太陽をエネルギー源として水と炭酸ガスからブドウ糖を作り、さらに様々な有機成分を作らせることである。
言いかえると・・・ 農業とは、この炭酸同化作用をいかに効率良く行わせて作物生産を上げるか、という営みである。

では、植物の生育を盛んにし、収量を上げるためにはどのような条件が必要なのだろうか。



  1. 養分
  2. 空気(酸素と炭酸ガス)
  3. 温度
  4. 有害因子がないこと

土の役割は、1.水と養分 2.根の健康に関する酸素と有害物質がないこと  です。

このように、土は農業のもとであり、土が大変大切なものであることは皆さんが良くご承知の通りです。しかし、作物生産における土の真の意義と性質を知ることの重要性を十分に理解されているだろうか。

工業においては、機械が古くなり装置が痛めば、それらを新しい機械、装置と入れ替えることが出来る。しかし、農業においては作土をすっかり取り替えてしまうことなど不可能である。

土を永遠に生き生きと働かせるためには、土の性質を理解し、その土にあった土壌管理を行うことが肝要であります。


 
Copyright 2006,東日本機電開発株式会社. All Rights Reserved