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009:鶏から人への大きな便り  
     第一回『何でこんなにすくないの?』  


  *本コラムは、雑誌「鶏卵肉情報」にて2006年7月~2007年7月までの毎月連載された
   同名コラム(執筆は当社農業環境研究所長 本間光義)を加筆、修正したものです。


私は、微生物を専門として『土づくり』と『堆肥づくり』の研究を30年続けております。特に、平成に入ってからは、ほとんどの時間を現場での実践として取り組んでいます。当時は、環境に関する事情は今ほど厳しくなく、現在我々が取り組んでいる仕事へのニーズもまだ多くはありませんでした。


そんな中、縁あってインドネシアでの農業指導の依頼をいただき、約2年間現地に行ってきました。そこで経験した「土づくり」の「堆肥づくり」の話しを紹介いたします。

私が担当したのは、バンドン地域にある農場の2,000haあるトウガラシ畑で発生している青枯れ病対策でした。訪問してみた現地の土は、日本の土質と全く異なり、ビックリしたこと、珍しい土への興味、そして無事に出来るかなという不安で複雑な思いを抱きました。

インドネシアは日本と違って家畜が少ないため、堆肥はほとんど手に入りません。宗教上の理由から豚、牛は極端に少なく、現地の人のタンパク源は鶏肉がほとんどといっても過言はありません。
私は、鶏フン堆肥をつくり地力を上げる作戦を取りました。入手できる生鶏フンは、10日以上待ってやっと4tトラック1台分という状況、貴重な資源です。どうせ鶏フン堆肥を作るなら、微生物の力によって少ない量で大面積に使うことが出来る濃縮堆肥を作ることを考えました。

まずは、現地で菌を探し、元種菌を作ることから始めました。山、川、畑、ドブ水など200箇所以上から土を集め、培養を開始しました。インドネシアは大変暑い国で、日中は35~40℃、夜間でも28~32℃もありますので、培養すること自体は難しくありません。2週間程度で元種菌を作り、生鶏フンに植えつけました。

生鶏フンを仕込むときは外気温が高い分だけ強烈な臭いがあり、指導した現地の作業員も涙をこぼしながらの作業でした。しかし、元種菌を植え付けして2日目には嫌な臭気が全くなくなり、蒸し芋のような臭いに変わりました。
1回に仕込む量は4t車1台分(約8㎥)、10日に一回運んでもらい作業者に仕込作業を続けてもらいました。その間に私は農場のトウガラシ畑を巡回です。

最初の仕込から20日以上経ち、作業員にお願いしていた堆肥の状態を見に行きました。
「えっ!!」。三回分(24~27㎥)仕込んだはずの鶏フンが4t車で半分ぐらいしかありません。「何でこんなに少ないの?」。担当作業員に聞いても「わからない」。何度聞いても同じ答えでした。
仕方なく、再度仕込作業を前回と同じ方法、同じ量で行いました。出来上がったのはやはり、4t車で半分位でした。悩みました。この農場にさすがにこの量では足りません。

微生物が最大限に活動・分解することで、堆肥が大幅に減量・減容したのです。

最終的には、ワニのフンとこうもりのフンを手に入れて何とか濃縮堆肥を増量し、予定の面積に定植して役割を果たすことは出来たのですが、このときの経験を基にして、現在、養鶏農場の臭気対策や排せつ物を処理できても処分できないといった農場から相談を受けています。



環境事業部 農業環境研究所 所長 本間光義




 
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