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015:鶏から人への大きな便り  
     第七回『環境問題の解決は、良質堆肥づくり!』  


  *本コラムは、雑誌「鶏卵肉情報」にて2006年7月~2007年7月までの毎月連載された
   同名コラム(執筆は当社農業環境研究所長 本間光義)を加筆、修正したものです。


養鶏場が持つ悩みの一つに環境問題があります。特に何の問題も起こさずに鶏糞を処理し、処分できれば良いと考えている経営者の方が大半でないでしょうか。
実は、そこに環境問題を引き起こす大きな要因が隠れているのです。
養鶏場では、今まで直接経営と関係のない除フン作業を二番手、三番手と後回しにしてきたのが現状でしょう。しかし、法律が改正され、その厳しさが加速する現在、すでに後回しに出来る問題ではなくなってしまったのです。ただ、今まで鶏フン処理に力を入れてきたわけではないので、その技術に関して様々なところに相談をしてきたことでしょう・・・残念ながら、これが現在の養鶏場の状況です。私が言いたいのは、養鶏場側がその農場の鶏フンを処理、処分だけではなく、鶏フンを資源として考えていただきたいのです。大事な未利用資源として。
「土づくり」を行うことが出来るのは鶏フンを含めた家畜のフン尿であり、その「土づくり」を一番安価に出来るものであると私は考えています。養鶏場の皆さんは、鶏糞を資源として捉え、耕種農家が今一番必要としている資材を作らなければなりません。
さまざまな法律が施工されている現在、耕種農家だって悩んでいます。表現が適切ではないかもしれませんが、畜産農家にとって、耕種農家に悩みがある今がチャンスかもしれません。
そのためには、処理物を作ってはいけません。
処理・処分ではなく、耕種農家に必要とされる良質な特殊肥料・堆肥を製造するのです。「土づくり」のできる堆肥を製造することは、鶏フン処理施設から環境問題に関する悩みを消すことになるのです。
「土づくり」のできる堆肥とは…?古来より「稲は地力でとり、麦はこやしでとる」と言われています。実際に、水稲が吸収する窒素の多くは地力窒素から供給されており、水稲生産農家にとって地力が果たす役割は最も重要です。
水稲の場合、硝酸窒素が脱窒されやすく、化学肥料の代替として期待できるのは窒素濃度の高いもの、とりわけ鶏フンです。肥料効果を期待しての利用をする場合、田植えの1ヶ月前より近い時期に施用すると良いでしょう。また、還元障害を起こさないように十分に発酵させたものを使用することも大事です。このように地力を高める資材として、水稲であれば完熟に近い鶏フン堆肥が良いのです。そして、地力窒素に影響する堆肥のポイントとして、その堆肥づくりが重要になるわけです。
化学肥料の代替品としても利用することができる堆肥づくりのポイントは、発酵技術です。この発酵技術とは何回発酵させるかではなく、生フンをすばやく、基本に基づいて発酵することです。特に、中途半端に初期発酵させてしまうと本発酵工程以降の発酵状態も中途半端になり、未熟状態のまま農地に還元されてしまいます。このような堆肥づくりでは「鶏フン堆肥は…」と水稲農家に腰を引かれてしまうのです。これは水稲農家ばかりではなく、耕種農家全体に言えることでしょう。
発酵、微生物活動に必要な条件をきちんと整え、基本に基づいた堆肥づくりを行えば、生フン⇒アンモニア⇒亜硝酸⇒硝酸⇒アミノ酸⇒タンパク質としっかり分解され、臭気の問題も発生しません。当然分解力が高まり、製造される堆肥は生フンに対して減容されます。このように施設や製品(堆肥)からの悪臭、近隣の方々からの苦情などの環境問題は解消されます。
繰り返しますが、鶏フンを資源として捉え、基本に基づいた良質堆肥を製造することは、鶏フン処理施設から環境問題を無くすことになるのです。


環境事業部 農業環境研究所 所長 本間光義




 
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