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020:鶏から人への大きな便り  
     第十二回『次の工程のために今やる作業』  


  *本コラムは、雑誌「鶏卵肉情報」にて2006年7月~2007年7月までの毎月連載された
   同名コラム(執筆は当社農業環境研究所長 本間光義)を加筆、修正したものです。


鶏糞の処理作業は、次の工程のために今やる作業である。だから、どの作業も大切な作業なのだということを忘れないで欲しい。仕込み工程は初期発酵がスムーズに行われるようにするため、初期発酵は攪拌発酵(あるいは密閉式発酵)が問題なく行われるため、攪拌発酵は次の堆積発酵・菌の増殖が十分に培養できるようにする、そして堆積発酵は分解菌(酸化細菌)などの増殖をさせ仕込み工程に利用する大事な工程であり、ここでの余剰菌床は耕種農家で利用する土壌改良資材としての役割もあります。この方法はエンドレスです。どこが始まりでどこが終わりということはありません。鶏糞処理の各工程、どの作業も大切なのです。
さて、今回は堆積発酵について話します。
この工程は、様々な方式の機械から引き抜かれたモノを再び堆積させて発酵するものです。
ここでのポイントは二つあります。 ひとつめは、分解菌を十分に増殖させることです。堆積発酵させたものは仕込み工程で戻し菌床として利用します。堆積したモノを使用するかしないのかで初期発酵工程における菌の立ち上がり方に大きな差が出ます。しかし、堆積発酵させて増殖する菌と初期発酵のときに活発に活動する菌は実は別のものです。では、何故菌の立ち上がりに差が出るのか。それは初期発酵のとき、優勢菌として一番先に動くのは乳酸菌、酵母菌です。これらは鶏の腸内にいる菌ですので改めて投入や添加する必要はありません。
その次に動くのは糸状菌、糸状菌が活発に活動することで混合物に徐々に温度が出てきます。その後放線菌と高温に対して強い種類の細菌が猛烈な勢いで活動を始めます。数日後には温度が下がってくる。そうすると高温に強い細菌以外のバクテリアが活発に活動するという仕組みになっているのです。この様な仕組みをスムーズに行うためには鶏の腸内細菌だけの利用では立ち上がりが遅くなってしまう。堆積発酵させて十分に中、低温菌を増殖させた戻し菌床を利用し、様々な菌を環境条件に合わせてバトンタッチさせ、高温で分解、中温で分解、低温で分解することでスムーズに菌を活動させる。このように初期発酵時の菌の立ち上がりスピードに大きな差が出る訳です。

二つめは、皆さんの農場においても余剰分を耕種農家さん向けに出荷されていると思いますが、このように循環されているシステムで作られた堆肥(特殊肥料)は土壌改良資材として利用することができるという点です。鶏糞堆肥の場合、ご存知の通りカルシウム分が他の堆肥と比べて非常に高い。トマト・ハクサイ・ピーマンなどの尻腐れ病対策に利用されております。また、果樹やアスパラなどモンパ病のあるところへの堆肥としてはかなり高い効果を出します。使い方によりまだまだ様々な効用がありますが「土づくり」のできる資材こそ耕種農家さんが求めている堆肥と言えます。 以上のような堆積発酵工程の目的をはっきりとさせ、意味を十分理解した上で自然界に近い状態で菌を動かしたいものです。

今回までの4回にわたり鶏糞処理の各工程について基本的な数字を交えながら紹介しました。繰り返しになりますが、各工程におけるそれぞれの目的をはっきりさせ、そのポイントをしっかり抑えることで、鶏糞処理全体における本来の目的を達成することになるのです。 基本的な作業をきちんとおこなうことが、農場の環境問題を解決し、土づくりができる堆肥=宝とすることができるのです。

『健土・健食・健民』、健康な土で、健康な作物を作り、人々が健康になる。我々が求めているものは、皆さんの健康であり、皆さんの健康は食からきています。農業が変われば世の中は変わる。皆さんの作る一握りの堆肥が日本農業の輝く未来へと繋がっていくのです。
最終回は『鶏糞堆肥で畑が変わった!!』をお話します。

環境事業部 農業環境研究所 所長 本間光義




 
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